あの震災から8カ月が経過しました。
朝のニュースで、思うように復興が進んでいないという被災地の現状が映し出されていました。
テレビに映し出された水産加工業の社長は「9月~10月には仕事が再開できると思っていたのに全く進まない。最初はなんとか気持ちを奮い立たせていたが、だんだんと疲れてきてしまった」と語っていました。
7月に大船渡へいったときも感じていましたが、これだけいろいろな人が頑張っているにも関わらず、復興への道が見えないというなかで被災地は冬を迎えようとしています。
そんななか、政府がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加の是非が喧々諤々と議論されています。「輸出入品の関税撤廃」という世界的なパラダイムシフトに日本はこの状態でどう臨んでいくのでしょうか。
以前アメリカの公認会計士になる勉強をしている友人に聞きましたが、知的財産に関する訴訟では、日本の企業は90%負けるそうです。もともと訴訟というスタイルにおいて、無形のものに対する守りが苦手、議論を通じて自分の意見をやりとりするのが苦手な日本人の特徴をよく表した事例だと思います。
ただ今度はそのアメリカしかり、日本しかり、「先進国」という言葉のもと、世界をリードしてきたはずの両国は、みな満身創痍な状態だと思います。そんな状態のもと、野田政権はTPPへの参加を考えているとのこと。
そんな状況を前に私は、グローバル化の時代と認識し、声高に唱えながらもなかなか変わってこれなかった、訴訟で負け続けてきた日本がさらに多くの国が意気込んで参入してくるグローバルの荒波に飛び込み、うまく泳いでいけるのだろうかと感じたりします。
もちろんネガティブな側面だけでなく、もしかすると今回のTPPが日本の経済によい影響を与えるかもしれませんし、むしろ「それが成功すれば理想的だと思っています。
いずれにしても遅々として進まない震災後8カ月目の今日、この決定がこれからの日本に対してよい方向に向かうための正しいジャッジメントになることを心から願ってなりません。